「スペインで初めての民主主義を創設。世界中で公演。今、絶滅寸前に。」
『レボリューション・サーカス』は偉大なる小さな共和国、「子ども共和国」についてのドキュメンタリー映画です。このプロジェクトを通じて、もっとも辺鄙な場所でも、困難な目的を実現できるというメッセージを伝えたいのです。
この物語の主人公は、シルバ神父(1933年- 2011年)の指導のもと、より善き世界の夢を見た子どもたちです。
シルバ神父は子ども達が主役を演じるより善き世界があり得ることを信じながら、教育制度に革命を起こし、新たな社会・新たな政治の秩序を確立し、自分たちの共和国を創り上げました。しかも、独裁政権下における小さな町で。その町はスペインの北西部、ガリシア州のオウレンセ市の郊外にあり、ベンポスタといいます。
この大冒険をみなさんに語るため、物語の主人公自身に一人称で、つまり「わたし」の立場で、積んだ経験や世界中への旅や自らの人生観などについて話してもらいます。
ベンポスタこども共和国はシルバ神父の理念によって1956年にスペイン・ガリシア地方のオウレンセ県に創立されました。この教育・社会的なプロジェクトのため、オウレンセ市郊外のベンポスタという広大な土地が本拠地に選ばれ、独自の規範や、自前の銀行から市役所までを持つ本物の町になりました。
ベンポスタこども共和国はユニークな教育・社会的な実験そのものでした。その目的は社会をより良くすることでした。その柱とするところは市民の調和、教育、労働(「手で考えることを学ぶ」)と芸術の訓練にありました
500ユーロ以上ご支援いただいた方には、もれなくツアーオリジナルポスターをプレゼント致します。左:フランス・ベルギーツアー。右:東ヨーロッパツアー。
芸術の訓練は基本的なもので、サーカスは最も重要な訓練の一つでした。サーカス学校は1966年に開校し、その後サーカスはベンポスタを外に見せる顔となったのです。
来る年も来る年も、ベンポスタの人口は増加し、ベンポスタで展開される活動も多様化しました。陶芸や金属などの工場が設置されました。さらに、独自のテレビ局、ガソリンスタンドとホテルまで作られました。
自治の制度により子どもたちが共同生活を送るという経験は、ベネズエラ、ボリビア、コロンビアなどでも実践されました。
ベンポスタこども共和国はフランコ独裁政権下の体制に風穴を開ける形で、当時スペインで最初の自治的な民主主義のしくみをつくり上げ、参加者がもっぱら子どもたちであるサーカス団を立ち上げました。
フランコ政権真っ只中の当時、この画期的なアイデアは常に失敗の危険に晒されていました。しかし、若い神学生であったシルバ神父のたゆまぬ情熱や入れかわり立ちかわり参加した子どもたちによる地道な活動が実を結んで、この大きなユートピアが現実したのです。
ベンポスタ子ども共和国は、「ロス・ムチャチョス」サーカスという表の顔により、国際的にも成功し、世界中を旅し、世界各地の王家をはじめとする有名人にも受け入れられました。しかし、大成功を収めたものの、何十年もの輝かしい時代を経て、シルバ神父の夢はゆっくりと消えていきました。そして今日、もうこの夢みる人たちの小さなグループの成功物語を知っている人はほとんどいなくなってしまいました。
いまこそ、子ども共和国が受けるに値する敬意を表し、夢見る人たちが忘れられることのないようにすべき時なのです。
日本で広く知られるようになったのは、89年に青池憲司監督がドキュメンタリー映画「ベンポスタこども共和国」を製作した時からです。この時、スペイン語翻訳家の星野弥生さんが翻訳、編集、字幕制作などに参加し、シルバ神父から「ベンポスタ駐日大使」に任命されました。取材のためにベンポスタを訪ねてシルバ神父の友達になった教師の村田栄一さんも1991年に『生きているこども共和国』(風媒社)を書き、ベンポスタの存在を日本にしらせるのに貢献しました。93年には85人のベンポスタっ子を草の根のサーカス実行委員会が招聘し、59日間、全国9カ所でサーカス公演を行いました。この時の実行委員長を引き受けたのが作家の井上ひさしさんでした。
その後95年に阪神大震災が起こり、まちの復興を願い、被災者たちを元気づけるために長田区の鷹取でお祭りを開催した際に、シルバ神父以下15人をベンポスタからよんで「人間ピラミッド」を実演しました。
この物語は以下の三つの要素から語られています。
① 関係者へのインタビュー撮影
ベンポスタ出身の人々の多くが計画に参加しています。黄金時代の人々も最後の時代の人々もいます。彼らの証言を通じて、ベンポスタの社会がどうやって経営されてきたのかということ、そして、どのような組織構成だったのか、さらに、ベンポスタ出身の人々の人生にはこの経験がどのような影響を与えたのかということを少しずつ発見してゆきます。
② アーカイブ写真
視覚材料は、一定の時代にタイムスリップして、サーカスやツアーの雰囲気を感じるのに大変重要なものです。膨大な写真記録のお陰で、ベンポスタの歴史を辿ることができます。
③ トニィト・デ・ポイ
この映画はただ単に、インタビューと写真の連続で構成されるわけではありません。一つの歴史を語り、ベンポスタへの我々の共感や関心を皆さんにお伝えしたいのです。そのため、ドキュメンタリー全体を通じて案内人をトニィト・デ・ポイ(Tonhito de Poi)というガリシア人のミュージシャンにお願いしました。トニィトも登場し、ベンポスタの長年たどってきた感動的な軌跡を解きほぐしてくれるでしょう。トニィトはガリシアでとても有名なロック・バンド、Heredeiros da Crusのメンバーの一人でした。その後、A Banda de Poiとの新たな時代が始まり、現在は、ガリシア・テレビの番組「ランド・ローバー」にバンドメンバーとして出演しています。
しかし、ガリシアにおいてさえ、彼がベンポスタにも関わっていることを知っている人は非常に少ないと思います。遅くなってからにベンポスタを知りましたが、ただちにベンポスタのプロジェクトに魅了され、ベンポスタに参加することになりました。ベンポスタの最後の数年間、晩年のシルバ神父に付き添うという経験は彼にとってとっても大きなことでした。トニィトのめざすものも、このドキュメンタリーによって私たちが追求していることと同じです。
ベンポスタこども共和国が再び社会から認知され、再び昔のようになれるようにひと押しする、ということです。オウレンセ市は、いまだに、オウレンセの「大使」として、そしてアーチストとしてのベンポスタの業績を十分に認めていないと思います。このドキュメンタリーにより、壮大な目標ですが、正しい目標を私たちは追求します。オウレンセ市当局が通りの一つにベンポスタの名前をつけるということを。
ベンポスタは、「子どもたち」が最も大事にされる場所として誕生しましたが、私たちも、子どもたちと連帯し、子どもたちを大切にし、子どもたちを尊重するという、うベンポスタがその歴史を通じて教えてきたすぐれた価値観を共有したいと思います。
アルベル・ブリュイ(Albert Brull)監督
この映画の監督で、最初から計画を推進した人です。専門分野は写真の世界で、写真家として養成を積み、出版業界で働き始めました。また写真講座の教師として、数々の長編映画のスチール写真撮影者としてバルセロナで11年間仕事をしています。数年前にガリシアに移住し、テレビで編集の仕事をしています。後に、ドキュメンタリーに参加するようになり、数々の広告づくりにも協力しています。
ルベン・カオ(Rubén Cao)カメラマン・音響・RPAパイロット
ディルク・ファン・フォンデル(Dirk Van de Vondel)アニメーション
ダニエル・ガジェゴ(Daniel Gallego)スチール写真・デザイン
アルバ・アラウーショ(Alba Araújo)脚本
チャロ・ラマス(Charo Lamas)資料整理
ホセ・A・ブランコ(José A. Blanco)編集
- ベンポスタの施設を使う許可をいただいています。この物語が起こったベンポスタの施設で撮影・録音することができます。
- 未発表の映像を持っております。ベンポスタ出身の人々から、まだ発表されていない写真を提供いただいています。
- このドキュメンタリー映画に協力するために自分の個人的経験を語ろうとしているベンポスタ出身者の一人称による証言があります。
- 写真やビデオ、アニメーションなど、さまざまな専門分野にわたるスタッフ陣です。
- 画像と編集にこだわります。ベンポスタでは、ベンポスタの貨幣や壁画の画像だけでなく、宣伝用ポスターのデザイン、衣装など、画像に注目してきました。 私たちはこのような伝統を守り、画像、編集、動画という三本柱によるドキュメンタリーの美しさを大事にします。
- アニメーション:私たちのチームには、ベルギー出身の経験豊かなアニメーターであるディルク・ファン・フォンデルが加わっています。このドキュメンタリー映画だけのためのアニメを制作します。
- 技術的手段:レボリューション・サーカスを制作する技術スタッフは先端技術を用います。Black Magicの映画用カメラや、10メーターのクレーン、自走式スライダードリー、そして航空撮影用ドローンなどです。
このプロジェクトが誇れる映画となるために、映画製作には、あと3万ユーロが必要です。そのため皆さまのご支援を頂戴したいと存じます。どうかお力添えをいただきますよう、お願いいたします。
いただいたお金は、カメラ、音響、照明など技術機材のリースや、関係する場所への移動費(カナリア諸島、バルセロナ、マドリッド)、技術スタッフの宿泊費、食費などに使用いたします。
• 管理費:3千ユーロ
• 機材のリース:1万2千ユーロ
• 制作費:1万5千ユーロ
協賛金
この計画にご支援いただくには、Verkamiのクラウドファンディングサービスのサイトにお入りください(http://www.verkami.com/projects/11338-revolution-circus)。
メールでのお問い合わせ
[email protected](日本語OKです)
5 comments
If you are already a sponsor, please Log in to comment.
Albert Brull
Author
Si puedes enviarme tu contacto a mi mail para ponerme en contacto contigo te lo agradeceria, gracias
mi mail es [email protected]
Alberto
...perdón, realizamos un documental de 1 hora 30 minutos aproximadamente, por desgracia no conservo copia de la cinta pero en el centro A Farixa quedó una copia.
Por si os puede interesar. Un saludo y mucha suerte.
Alberto
Buenas tardes, es un comentario a modo informativo por si os sirviera de ayuda para el documental. Yo y unos cuantos alumnos más del centro de Formación Profesional de A Farixa ,Ourense en el año 1.985-1986 dudo un poco del año realizamos un document
Albert Brull
Author
Hola, primero agradecerte tu aportación extraordinaria y mañana me pondré en contacto con Verkami para comentarles este hecho ya que lo desconozco.
Att. Albert Brull
Amaro Ferreiroa
Fixen aporte, paguei con visa, pero non me pediron nin datos nin correo, polo que non sabedes nin quen son nin como porse en contacto comigo. Ou iso creo.